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新サービスや自主調査結果、関連する学問領域のコラムなどを掲載しています。

 我々は他者からの影響を敏感に受けやすい存在であることを述べてきた。そのことは、街角を歩いていても、新聞やテレビを見ていても、周囲の人々の動向に敏感に反応するようすを観察することで確認できる。顔見知りでもない人々たちからでさえ、敏感に影響を受けてしまう我々は、集団で生活する場面では、メンバーたちから、どれほどの強い影響を受けるのだろうか。  集団の中で、…

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 前回、第2回「会話に影響する椅子の配置」で環境心理学が環境をデザインすることによって心理や行動を変化させることを試みる例として、社会的交流を促進、あるいは抑制する椅子の配置・デザインを紹介した。お互いに視線が合いやすく配置された椅子は交流を促進し、視線が合わないように配置された椅子は交流を抑圧するのである。この例から分かるように、環境心理学が考える環境…

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 製品開発を行う際、製品、人間-機械系(ヒューマン・マシン・インタフェース:HMI)や人間について観察し、製品、HMIやユーザの問題点からユーザ要求事項に変換して、製品コンセプトを作る。  人間と機械との適合性に関して、HMIには5つの側面がある。これらは(1)身体的側面、(2)頭脳的(情報的)側面、(3)時間的側面、(4)環境的側面、(5)運用的側面、…

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 今回は、行動観察は、ある現象やルールが社会に流行・普及するかどうかを予測するときにも頼りになることについて論じてみたい。前回紹介したように、我々人間は、周囲の他者の言動に敏感であり、知らず知らずのうちにその影響を受けてしまう存在である。ただ、人間は何も考えないままに影響を受けるのみの存在ではない。他者の言動を観察しながら、その言動の背後にある意図や理由…

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 環境心理学において環境をデザインすることによって心理や行動を変化させることを試みるというのは、実際にはどんなことなのだろうか。たとえば、次の写真のような2つの椅子の配置があるとする。  左側の写真の配置の椅子に座った場合には、お互いに顔を見合わせる機会が多くあり、会話も弾むだろう。一方、右の写真の配置の椅子に座った場合はどうだろうか。お互いの顔はそ…

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 観察の方法について、今後12回に分けて執筆する。  第1回は観察の大まかな方法について述べる。そもそもなぜ観察が着目されるようになったのだろうか?  20世紀は技術の時代で、新しい技術で作れば何でも売れた時代であった。家電製品がその代表例であろう。しかし、生活が豊かになった21世紀では、ユーザのニーズ、ウォンツに基づいたきめ細かな製品開発が望まれている…

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 人間のとる行動は、その人の心理状態を外部から知る絶好の手がかりである。笑顔は好意の表れであるし、ガッツポーズは達成感や歓喜の表れである。しかしながら、思春期の頃を思い出せば、好意を抱く異性に対して、好きなのに(好きだからこそ)わざと邪険に扱ったり、いたずらをしたりした甘ずっぱい経験を持つ人も少なくないだろう。これは、精神分析学では「反動形成」と呼ぶ人間…

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 環境心理学とは「環境に関する心理学」のことである。この場合の環境とは、地球環境とか環境問題というような、生態系やエコロジーに関係するような意味での環境ではなく、人間の周りにあるすべての場所という意味での環境である。つまり、部屋だの、職場だの、近所の公園だの、裏庭だのというような、日常的に接する環境を中心とした、人間がかかわるすべての場所が環境心理学の対…

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