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「構造的にとらえる」の記事

 通常のデザインプロセスとして、デザインした製品の外観をチェックするために、モデル(外観を確認するための試作品)を外部のモデル屋さんに制作してもらうことが多い。20代の頃、後輩のデザイナーと一緒にモデルをチェックするためにモデル屋さんに向かった。向かう途中、後輩が手土産を持っているので、聞くとモデル屋さんに気持ちよく仕事をしてもらうためと聞き、衝撃を受け…

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 今年の10月に拙著「デザイン3.0の教科書」 を海文堂出版から上梓した。この本の主題であるデザイン3.0の本質は温かいデザインである。デザイン3.0というからには、デザイン1.0,2.0があり、それらが土台となって発展してきたと考えている。デザイン1.0,2.0は、その時代で終わりという意味ではなく、それぞれ現在まで展開し、更に発展してゆくであろう。建…

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 10月中旬に韓国・全州市(Jeonju)で開催されたサービス系の国際会議に発表のため出張した。関空から仁川国際空港へ、そこから高速バスで全州市に到着し、時刻は18:00近くになり、あたりはかなり暗くなっていた。事前に宿泊するホテルの目途はつけておいたが、よく分からず、面倒なのでタクシーで行くことにした。しかし、なかなかタクシーが捕まらず、さてどうしたら…

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 温かいデザインの概念を厳密に定義できているわけではないので、逆の概念に近いモダンデザインを考えることにより、温かいデザインのベクトルをより明確にしたい。  製品デザインをしていた若いころ、2年上の先輩がなぜ工業製品に絵柄をつけてはいけないのかとよく耳にした。その時は、確かにそうだと思ったが、モダンデザインの盛んであった時期でもあり、絵柄をつけると製品の…

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 温かいデザインを行うことは、ユーザと心を通わせることでもあるので、表面的なアプローチをするのではなく、本質を考えてデザインすることである。  なぜ温かい必要があるのか?  寒い日に温かい水を手にかけると心が和む気分になる。逆に、温かい日に手に冷たい水をかけると爽やかな感じがするが、心が和む気分にはならない。人間関係でも家族などの親しい関係ならば、抱き合…

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 今秋に出版予定の本(デザイン3.0の世界(仮)、海文堂出版)や学会(日本デザイン学会、日本感性工学会)で発表した、あるいは発表予定のデザイン3.0の世界について説明する。 (1) デザイン1.0  1945年~1990年ごろの技術中心時代のデザインである。この時代の製品はマズローの生理的欲求と安全の欲求を主に満たしていた。生理と安全の欲求を充足させると…

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 自動車のスタイリングが好きなので、小学生のころからよく観察をしていた。そのころ東洋工業(現マツダ)のK360とダイハツのミゼットを比較して、K360の方がすっきりしているなどと判断をしていた。また、なぜハンドルを回すとタイヤが方向転換をするのか?デファレンシャルギアの構造はどうなっているのか、小学校6年生ごろ、よく駅前の本屋に行き、自動車雑誌を立ち読み…

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 ブルーグラス音楽のCD4枚組をネットで注文し、受け取りを待っていたが、たまたま不在であったので宅配便を受け取ることができなかった。そこで運転手に連絡を取り、翌日の19:00に配達をお願いした。ところが翌日、19:00前に帰宅するとどういう訳か、当日の11:00の不在票が玄関の郵便受けに置かれてあった。この運転手は18:00以降電話の受け取りはしないと書…

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 我々の行動はそれを制約する存在によって影響される。この制約を知ることにより、我々の行動を構造的に把握することができる。この制約は道徳、宗教や社会の規範、あるいは物理的なものなどがあり、様々な視点から観察することができる。  今年4月に発売された野口悠紀雄著『「産業革命以前」の未来へ』、NHK出版新書で、新しい時代には企業の新陳代謝が必要で、我が国で起業…

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 国際会議で発表のためマレーシアのクチン市(ボルネオ島)に現在いる。赤道に近い緯度なので、かなり暑いのではと思っていたが、それほどではなかった。大昔、シンガポールに行ったときの熱風の印象が今でも蘇ってくるが、クチンはそれとは違っていた。  この街で気が付いたことを紹介したい。 1.自動車優先の考え方のようである。  交通信号があまりなく、信号なしでスムー…

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 オペラ作曲家として有名なジュゼッペ・ヴェルディ(Giuseppe Verdi、1813年―1901年)をご存知であろうか?「椿姫」「リゴレット」「アイーダ」などのオペラで知られているが、彼が80歳を前にして最後のオペラ「ファルスタッフ(Falstaff)」を作曲した。この時、ヴェルディはなぜ80歳前にして、作曲したのかと質問された時、私の作品は失敗であ…

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 今年の正月、家族で、とある飲食店に行きカウンターに座り注文をした。家内がトイレに行こうとすると、店主が今トイレは使用中と制止した。結構高圧的な響きであった。この店主は店員に対しても威圧的な態度を取っていた。この店はどうやって食べているのか、考えていると、固定客を掴んでいるので安泰というわけである。野球などの大会を定期的に開催しているらしく、その情報が壁…

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 前回 まではモノやシステムについて、考えてきたが、今回は人間について考えてみたい。著者の研究室は5階であるが、エントランスが2階にあるため、実質、4階に相当する。2階にあるエレベータを見ているとエレベータ待ちの学生が多くいる。健康のために歩いたほうが良いのだと思うのだが、どうなのだろうか。また、満員の京都市バスで、運転手がもう少し詰めて乗客を乗せてくだ…

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 前回では再定義の方法を示したが、その考え方はその本質をとらえ、別の観点からその本質を実現することを考えることでもある。  椅子のデザインのアイディアを考える際、椅子の本質は何かと考える。するとそれは体を保持できればいいので、その観点から考えると天井から吊るしたブランコのようなデザインでも良し、また、脚立のようなデザインでも良いという判断ができる。  前…

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 再定義という見方が注目されている。定義されている内容を再度、見直して新たに定義するという意味である。つまり、新しい価値、意味に変換するということでもある。英語ではreframeが該当するだろう。ありきたりの製品でも再定義を行うことにより、全く新しい製品に蘇る。  そこで、著者が考える再定義の方法を紹介したい(図1)。  図1に示す通り、「一般的な定義…

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 昔、企業でデザイン作業を行っていた時、レンダリングという製品の完成予想図を描いた。技術や営業の関係者にプレゼンを行い、デザイン決定を行うためである。プロとして完全なレンダリングを描かなければと思い、詳細に本物のように描いていた。そのほうが詳細に見えて関係者に理解してもらえるという意識があった。ある時、同僚が万年筆でサーと描いて手抜きのレンダリングを描い…

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 我々は通常、1日、3回、朝、昼、晩と食事をするので、お昼頃になると食事のことが気になり、そわそわしだす人がいる。別に、お腹が減っているわけでもないが、行くべしと自動的に行動を起こしているようである。江戸時代は1日2回しか食事をとっていないと昔、本で読んだことがある。健康には3回が良いのであろうが、人によっては回数にこだわらなくても良い場合があるだろう。…

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 以前から気になっていたことであるが、スーパーやコンビニで売られているパックになっているキャベツなどの千切りの商品の水洗の表示である。ある商品は「洗わずそのまま食べられる 千切りキャベツ」と大きく表示されていた。更に、洗わずにそのまま食べられる秘訣をイラストで洗浄工程を示してあった。一方、別の商品では、表面には何も書かれておらず、裏面に小さい文字で、冷水…

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 何か問題点があると、通常行うのが対処療法的な方法である。ある問題点に対して、その解決案を考えてゆくという方法である。先日、ある学会の大会で発表を聞いていたら、対処療法的な方法と思われる内容であった。ある対策の組織を立ち上げるのに必要な要件を決める際、過去に係わった関係者に対するヒアリングデータ、過去のデータベースを基に組織を構築したという内容である。大…

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 時計の本質は何であろうか?本質は時刻を表示し、的確にその情報をユーザに伝えることであろう。ファッション性に富んだ腕時計などでは、時刻表示よりむしろ、腕時計全体の豪華さなどの表現が主目的で、その手段として様々な素材を生かして豪華さを演出している。従って、すべて見易ければ良いという訳ではないが、時計の本質は時刻を的確にユーザに伝えることである。特に、鉄道駅…

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