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新サービスや自主調査結果、関連する学問領域のコラムなどを掲載しています。

 交渉場面では、自分にとって重要な争点は相手にとっても重要であるはずだと言う思い込みが生み出す「固定資源知覚」の他にも、無自覚のうちに働いている認知メカニズムが、誰も望んでいない障害となって働いてしまうことがある。その代表格が「フレーミング(framing)」効果と呼ばれる認知バイアスである。フレーミング効果については、リスク・コミュニケーションに関連し…

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 前回、第40回「環境心理学で考えるための本(2):「環境をデザインする」ために」で「自然環境をデザインする」という書籍の紹介をしたが、今回はその余談を書いてみたい。  自然・natureとは本来は「そもそもの・人工ではない」という意味であり、デザインという人為的行為の結果とは本来相反(あいはん)する。しかし、自然・natureの言葉は、生物や生態系ある…

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 ある学術調査と会議のため、ドイツ、オランダ、オーストリアに行ってきた。大阪空港(伊丹)から成田経由して、ミュンヘン国際空港、スキポール空港、ウイーン国際空港を利用する機会を得た。  最初の大阪空港でまず間違えてしまった。10年前に利用しただけなので、初心者と同じである。図1にあるように出発ロビーの表示が目に入り、その手前にカウンターがあり、旅行客が並ん…

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 前回までは、行動経済学の分野で注目されている人間の不合理な意思決定の代表例を紹介してきた。今回はもう少し視点を変えて、交渉場面における人間の不合理な意思決定について紹介しよう。紛争解決や互いにとって有益な合意形成を実現するための方途を求めて、多くの社会心理学者が交渉場面の人間心理と行動の特徴を検討し、明らかにしてきている。  ひとくちに交渉といっても様…

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 前回、第39回「環境心理学で考えるための本(1):「構築環境の意味を読む」ために」は、理論としての環境心理学の思考法の一面が伝わる著作を紹介したので、今回は環境心理学のもう一つの側面である実践への関与への方法論に関する著作を紹介したい。 ●「自然環境をデザインする-環境心理学からのアプローチ」カプラン・カプラン・ライアン著  この本が扱う自然環境とは、…

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 36回で紹介したホテルの廊下と同様の例を見つけた。某特別養護老人ホームを訪問したとき、ここの廊下の両側面と両壁面の下部の帯に強い色が塗られていて、入居者を上手く誘導できるように配慮されていた。図2は台湾にある桃園国際空港のターミナル2にある廊下である。廊下の両側の黒い帯と床の真ん中に黒い正方形が45度傾けてデザインされている。これにより容易に旅行客を誘…

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 前回に引き続き、人間の不合理な行動の背後で働いている心理プロセスについて考えていこう。前回紹介したモンティ・ホール問題のように、誰もがうっかり行っている不合理な意思決定は、なぜそうなるのかさえ理解するのが難しいほど、無自覚のうちに直観的に行っているものである。確率論的には不合理でも、人間にとっては当たり前すぎるほど合理的なものであるところに特徴があった…

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 前回、第38回「環境心理学の教科書」を紹介したので、今回はより広く「環境心理学で考える」ための基本的な知識や態度を教えてくれる書籍のうち、比較的新しく入手しやすいものを数回にわたり何冊か紹介してみたい。 ●「構築環境の意味を読む」ラポポート著  環境心理学とは環境と人間の関係に関する専門分野だが、とくにその心理メカニズムを考えることが特徴である。つまり…

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 前回に引き続き、ラスベガスの観察について述べる。ラスベガスは砂漠の地に作られた人工の街である。従って、そういう土地柄か水に強い執着があるようで、前回でも述べたがメインストリートの至る所に噴水があり、建物中にも滝や水をたたえた大きなスペース(図1)がある。  あるホテルでは建物の中にイタリア・ベネチアの町並みを再現し運河を作り、そこでゴンドラを乗る体…

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 経済学的あるいは確率論的には不可解な(間違っている)人間の意思決定が、当の人間にとっては極めて自然で合理的な決定である場合が多いことについて論じている。今回は、1990年以降、一般の人々のみならず、多数の数学の専門家を巻き込んで論議を呼んだモンティ・ホール問題(Monty Hall problem)を題材にして考えてみたい。モンティ・ホールは、アメリカ…

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 ときたま環境心理学という検索ワードでこのコラムにたどり着いたという人や、環境心理学についての話を聞きたいという人がいるようなので、そういう人たちのために環境心理学に関する教科書を紹介してみようかと思い立った。  むろん私自身の考えといちばん近いのは羽生和紀著「環境心理学-人間と環境の調和のために」である。薄くて読みやすい、値段が安いという点では、現在世…

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 図1の写真は、私が博多に出張する際、よく使うビジネスホテルの室内である。机が壁面に対して直角に取り付けられ、その面積は広く、非常に使い勝手の良い机である。ビジネスホテルなので、ビジネスマンが主対象であるが、観光客も価格が手ごろなのでよく使われている。しかし、ビジネスマンが使うので、単に寝るだけではなく、そこで仕事をする空間でもある。そうした観点から見る…

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 今回からは、人間行動の不可解さについて考えていきたい。行動観察をより効果的に活用するために役立つはずであるし、他者の心を読もうとするときにも参考になるはずだ。その出発点として、行動経済学の話題を取り上げよう。  人間の経済行動には不可解なものが散見される。衝動買いはその代表であろう。また、自分の趣味には(他者から見ると魅力は乏しくても)惜しみなくお金を…

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 第35回「団地物語(2):自然監視再考」の結論で、自宅・自室のようなプライバシー欲求の高い環境を、公共空間を監視する路上の目として機能させるには「見ることはできるが、見られることのないデザインが必要なのかもしれない」と書いた。この、見ることはできるが、見られない状態の望ましさを主張している理論がある。見晴らし-隠れ家理論(prospect-refuge…

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 サービス業で様々なもてなし(気配り)がされるが、通常目見える形で提供される。レストランで食事中、水やお茶が無くなった場合、頼めば持ってきてくれる。気の利いたところでは、いちいち頼まなくとも、サービス提供者は自然についでくれる。これは普通のもてなし、サービスであろう。  国内外の学会に発表に出かけるので、ビジネスホテルをよく使う、レベルは中の上クラスの2…

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 他者の心の動きを推察することは、人間の基本的な能力であると前回述べた。今回、この問題について、さらに議論を進めたい。この地球上に発生した太古の原始時代より、人間は孤立しては生きていけないため集団を形成して生き延びてきた。他者との円滑な関係を築き,維持するにはコミュニケーション力、とりわけ他者の心理を読む能力が極めて重要な役割を果たすため、進化の過程で、…

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 団地の中には、いろいろなことを考えさせてくれるデザインがたくさんある。  上の写真のメッシュのひさしはなんだろうか。メッシュなので雨は遮れない。こうした、メッシュのひさしは団地内に多く散在しているが、その下には必ず出入り口があるので、これは歩行者を落下物から守るためのものなのだろう。  なかには、上の写真のようなデザインもある。これは、意図的に何か…

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 人間の行う行動には、必ずそれを起こした原因がある。どこかに出かける場合、具体的な目的もなく気楽に散歩をすることもあるだろうが、これも一種の目的のある行動である。従って、人間の行う行動には、何らかの意図があるはずである。以前ご紹介したREMでも使われている「結果-原因」の視点から、この関係を調べることができる。  私が利用しているバス会社で、バスの運転…

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 誰もが、知らず知らずのうちに自分の正直な気持ちをしぐさや態度、表情に表しながら生活している。。前回話題にした「正直シグナル」は、数え切れないくらい多種多様にある。また、「無くて七癖」と表現されるとおり、人によってその表し方に個性が見られることも多い。そんなに多種多様で個性溢れる正直シグナルなのに、なぜ、我々はかなり的確にその意味するところを類推すること…

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 初期の団地の建て直しがさかんにされている。新しく建てられた住棟には、前回、第34回「団地物語(1):さらばスター」書いたスターハウスがそうであったように、実験的な住宅ユニットがいろいろと採り入れられている。  そうした試みの一つは、第23回「自然監視とテリトリアリティ」で紹介したような地上階の住宅ユニットの出入り口を、建物内にではなく、直接隣接する道路…

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