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新サービスや自主調査結果、関連する学問領域のコラムなどを掲載しています。

 最近よく思うのだが、理系と文系にはそれぞれ典型的な誤りのパターンがあるのではないだろうか。典型的な理系の誤りとは「問題の設定を間違えること」である。つまり、設定された問題に対しては理論的や実務的に正しい答えを出しているのだが、そもそもその設定した問題自体が正しくないということである。とくに、問題の設定において、どこまでを範囲に含めるか、何を範囲に含める…

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 会議における話し合いが極端な結論に向かって、まさに「暴走してしまう」と表現するのにふさわしい現象が見られることがある。社会心理学者のジャニス(Janis, 1972)によって指摘されたグループシンク(groupthink;「集団浅慮」と訳されることも多い)と呼ばれる現象である。彼は、歴史上の深刻な政策決定の失敗事例を分析して、社会的地位が高く、権威ある…

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物語の階層性  今までの物語は、モノを中心に見てきたが、今回はモノにかかわる人、オブジェクトやシステムについて考えたいと思う。まず、商品がユーザに届くまでの流れにある販売、物流、企業に焦点を絞って考える。 (1)販売 商品を販売するときにかかわるサービス提供者がまず考えられる。彼らの製品を説明する内容や態度により、顧客は物語を感じるであろう。例えば、この…

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 前回、第53回「昔はよかったのか(1):客観的にはよくないのでは?」は、高度成長期と現在の治安と衛生の状態を比較し、客観的な環境としては現在のほうがはるかに望ましいのだが、それでも「昔はよかった」と言われることがあるのはなぜなのかという疑問を提出したところまでであった。  現在の「昔はよかった」時期の多くの部分は戦後の高度成長期であろう。高度成長には確…

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 前回、話し合いをすれば、最初はメンバーの意見がそれぞれに異なっても、互いに歩み寄って、個々の判断の平均よりは的確な決定に近づくことが多いと考えて良さそうな実験の結果を紹介した。しかし、いつもそんなに都合良くことが運ぶことばかりではない。話し合ったがために、とんでもない決定がなされてしまう場合があることにも注意が必要だ。  話し合って出された決定が、一人…

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UXと物語  ユーザが製品を使い、良い感覚が生じた場合、良い感情となり、UX(ユーザ体験)として体の中に蓄積される。このUXによる良い感覚は、①非日常性の感覚、②獲得の感覚、③タスク後に得られる感覚、④利便性の感覚、⑤憧れの感覚、⑥五感から得られる感覚などが考えられる。これらの感覚はアンケートにより抽出されたもので、その内容は以下の通りである。  ①非日…

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 海外に行くときに一番気がかりなことは、現地の治安と衛生状態ではないか。犯罪が多いと聞けば、多額の現金を持ち歩かないようにしたり、うかつに裏道に入り込まないようにしようと心がけるだろう。衛生状態が悪いと聞けば、生水を飲まないようにしようとしたり、屋台の食べ物を食べるのはほどほどにしようとするかもしれない。治安も衛生も命にかかわることであるので、つよく意識…

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 会議の多さに辟易としているビジネスパーソンは多いのではないだろうか。私の勤務する大学でも、教員どうしが顔をあわせるたびに、会議に時間を取られることへの愚痴が飛び交うものである。ビジネスシーンのみならず、小学校のクラスルームでも、町内会の寄り合いでも、マンションの理事会でも、我々は生活の様々な局面で話し合いを行っている。なぜ、こんなにも我々は話しあいをす…

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4つの物語  今回はモノ、システムに関する4つの物語について考えてみたい。物語の種類を時間軸から歴史、最新の2つの物語を、空間軸から架空と現実の2つの物語を抽出した。これらの4項目はお互いに独立だけでなく、重層する関係になる場合もある。例を示して考えてみよう。歴史のある物語は、古くから由緒ある旅館、創業100年を越した企業や歴史はそれほど長くなくとも時間…

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 ホモ・エコノミクス(経済人)とは、人間はみずからの効用を最大にするための経済活動を行うという、古典的な経済学(古典主義経済学のことではなく、単にかつての主流の経済学の意味)における人間観である。この効用を最大にするために、人は合理的に経済活動・選択することが、古典的な経済学の前提になっている。  このホモ・エコノミクス的人間観に対しては批判があり、その…

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 前回、夏休み終わりの頃にたまってしまった宿題のように“やるべきことを先送り”したり、ダイエット中なのについショートケーキの誘惑に負けて食べてしまうように“我慢すべきことを我慢できずにやってしまったり”するのは、「双曲割引」の意思決定バイアスが、誰の心にも働いているからであることを説明した。さて、気になるのは、この誰もが経験する心理的罠ともいうべきバイア…

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 前回、前々回では、製品を構成するのが、①有用性(useful),②利便性(usable),③魅力性(desirable)の3側面で、この3側面から物語を分析することができると報告した。  今回はこの論を更に、構造化、精緻化してみた。京都女子大の学生が社会人約60名にアンケートを行い、下記の項目間の関係を線で結んでもらった。 (1)製品やシステムの構成…

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 ここ何年か軒先に朝顔を育てて緑のスクリーンにしている。4月中に種を植えると10月の終わりまでは枯れずに花を咲かせている。その間、縦横3x2mくらいに葉が生い茂っている。 防虫剤の類(たぐい)は使わないのだが、例年たいして虫はつかない。目に付くのはショウリョウバッタが数匹、ときどき小さな羽虫を見かける程度である。しかし、10月になった葉が落ちて、片づけを…

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 夏休みも終わりが近づくと、子どもの頃の宿題との格闘を思い出す。やるべきことはわかっているのだから、計画的に、あるいはさっさと済ませてしまえばよいのに、「まだ夏休みの先は長いさ」と先送りにしているうちに、取り返しのつかない事態に陥ってしまうのである。そして「自分はなんてダメな人間なんだ!!」と自己嫌悪にさいなまれたりしたものだ。しかし、やるべきことを先送…

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  前回では物語を分析あるいは構築する3つの側面として①有用性、②利便性、③魅力性を挙げた。今回はこの3側面に対し、構造と時間の2つの切口を考える。この2つの側面を考えることにより、立体的に検討するのが可能となる。  なぜ、構造と時間なのか?これはメンタルモデルを構成するのがstructural modelとfunctional modelである。前者は…

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 一般的な心理学のイメージは、心を研究する学問というものであろう。まあ、大きく言えば間違ってはいない。ところで、この心というのは何なのであろうか。  大まかに言えば心とはまあ、意識のことである。違う意見もあるが、ここではとりあえずそうしよう。それでは、意識となんだろうか。まあ、これもいろいろな意見があるけれど、とりあえず起きている(覚醒している)状態を経…

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 芸術やスポーツのプロフェッショナルの中には、靴下は必ず右からはくようにしているとか、大事な演奏や試合の前は必ずうどんを食べることにしているとか、縁起をかつぐ人が少なくない。私も高校生の頃は、良い成績をとることができたときに使っていた鉛筆をとっておき、大事な試験のときには、それを使うようにしたものだ。結婚式だって、いざとなれば、やはり大安吉日に挙げたいと…

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 モノづくりで、従来はその機能面の充足で十分であったが、その後デザインが導入されて、外観や使い勝手面が飛躍的に良くなった。しかし、更にユーザに感動を与えるには、あるいはユーザが求めているものを探すと、物語性や体験という考え方が浮上してきた。この状況はマズローの欲求5段階説で説明できる。つまり、現在は欲求の上位レベルに到達し、ユーザは商品やシステムに積極的…

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 前回(2012年)のアメリカの大統領選挙は、現職のオバマ大統領の再任が認められるかどうかで白熱した。アメリカの場合には州ごとに過半数を取った候補者が、その州の支持を得たことになる代表者制なので、投票の集計は州ごとということになる。下はその州ごとの結果である。青がオバマ氏を候補者とする民主党が獲得した州であり、赤が共和党の州である。結果はオバマ大統領に再…

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 心理学の実験のひとこまを想像して欲しい。あなたは実験に参加するために、大学の心理学教室を訪れた。実験室に案内されると、実験者からは次のように要請された。「今から3つの短い文を読み上げます。ひとつの文を聞くたびに、それが正しいか、誤っているかを判断してください。正しいならば右の白いボタンを、誤っているならば左の赤いボタンを押して答えて下さい。じっくり考え…

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