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新サービスや自主調査結果、関連する学問領域のコラムなどを掲載しています。

 コミュニティの再生が叫ばれて久しい。再生というくらいなので、近代化、都市化が進んで人間関係が希薄した現在を批判し、過去の生活における人間関係を理想とし、それを取り戻すべきだという考えが背後にあるようである。こうした考えにおける、過去の生活の典型はおそらく農業を中心とする村社会であろう。しかし、農村社会とはどんな社会であったかに関して、単なるイメージでは…

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 仮想コンセプトは、9回目のところでその概要を紹介したが、今回、その方法を含めて詳しく紹介したい。仮想コンセプトとは、既存の製品、サービスやシステムに対する推測した設計コンセプトをいう。従って、デザイナーや企画者の製品やシステムの考え方、方針(コンセプト)を推測することができる。推測した仮想コンセプトとそのシステムの置かれている環境や文脈との差分があれば…

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 地球上に初めての生命が発生したのは約40億年前といわれる。無から有を生み出す生命の誕生が一度だったのか、それとも何度も起こったのかは判明していないが、それでも現在の高度な生物の先祖である生命の発生条件が整っていたのは約40億年前の時期であったということであろう(いまだにどこかで、単純な生物が発生し続けているという可能性は否定できないかもしれないが)。 …

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 先行きが不透明で、これまで通用してきた「成功の方程式」も「黄金律」も、なかなか期待するほどにはうまくいかないことが増えてきた。想定外のトラブルや失敗にがっかりして、気分が落ち込むことも少なくないと感じている人も多いだろう。ただ、そこで立ち止まってうずくまってしまったのでは、我々の未来は開けてこない。なんとかまた立ち直ろうと、誰もが気力を奮い立たせるもの…

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 ゼミの学生の研究発表を聞いていて、ふと思ったことがある。彼女たちはカフェの研究をしており、店の外観・内装と店主の考える「店のコンセプト」の関係を検討していた。そのため、同級生に、実際のカフェの写真を見せながらいろいろな内容に関してインタビューをした。そうしたインタビューの内容に関する発表を聞きながら思ったことは、彼女たちが好きなカフェ、望ましいと考える…

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 近年、組織力やチーム力について議論するとき、レジリエンス(resilience)という言葉が飛び交うようになってきている。レジリエンスとは、けがや手術から回復して健康な状態に戻る力を意味するもので医学の世界で良く使われてきた言葉である。弱った体を元に戻す力ということでいえば、復元力と表現するのがふさわしいと言えるだろう。  過去の経験から学んだ成功原理…

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 7月にサンフランシスコで開催された応用人間工学の国際会議に発表に行ったので、当地でのサービスの観察を行い、サービスタスク分析で評価を行った。  フィッシャーマンズワーフまでケーブルカーに乗ったので、その時のサービスの分析の一部を紹介する。タスクは個別に記述せずまとめて分析を行った。 図1 ケーブルカーのサービスタスク分析  観光用のケーブルカーで、多…

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 前回はサービスの構造をフレームにして、対象を見てゆく方法を述べた。これに従って、観察しても良いのであるが、少し粗いのでもう少し詳細にして、時間軸上でも分析できるようにしたのが、下記に示すサービスタスク分析である。   図1 サービスタスク分析  サービスタスク分析は、顧客-機械(システム)、顧客-サービス提供者、時間、顧客-環境、サービス提供者-機械…

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 前回は、リスクについて説明し、正しく対応してもらおうとする立場の人々と、リスクを理解し、的確に対応しようとする立場の人々のコミュニケーションが、想像以上に困難であることについて解説してきた。説明する側は、ついつい理解を勝ち取ろうとして説得的になるのに対して、説明される側は、リスクがもたらす恐怖感に過敏に反応しがちなのである。  ただ、何よりも相互理解を…

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 外出先で利用したくなった時に、人はどのようにしてトイレを探すのだろうか。公園でもあればともかく、普通の街中に公衆トイレというものもなかなかないものなので、多くの人は店舗や施設内にあるトイレを探すのではないだろうか。  しかし、やみくもにすべての店や建物に入って探すわけではないだろう。全ての店や建物に一般利用ができるトイレがあるわけではなく、いやむしろそ…

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 下の3枚の写真を観てほしい。これらはいずれも公共の場に設置された「座ることは許すが、寝転ぶことを許さない」ベンチの例である。  こうしたデザインのベンチは街中に溢れている。単に環境デザインに注目するならば、同じ目的を達成するための様々なデザインを見つけることは非常に興味深い。  しかし、同時に感じることは、こうしたベンチは「だれも寝転ぶことを許さ…

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 前回、リスク・コミュニケーションについて論じた。存在するリスクについて、被害をもたらす可能性のある立場の者も、被害を受ける可能性のある者も、被害から人々を守る責任のある立場の者も、関係者全員で情報交換と意見交換を行って、正確な理解を共有する取り組みが、リスク・コミュニケーションである。  ただ、本来そうあるべき取り組みの姿とは異なってしまいがちであると…

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 4回にわたってサービスの観察について述べたが、それらをまとめて構造的に観察する方法を2回にわたって述べる。  構造的に見るというのは、あるフレーム(枠組)を想定して見てゆく方法である。通常、観察者は観察対象に対して、自分の知識を基に判断するので、豊富な知識が必要となる。しかし、このような豊富な知識を持たない場合、下記に示すようなフレームによって構造的に…

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 環境デザインによる防犯にはいくつかの源流がある。その中でもとくに重要なものはジェーン・ジェイコブスの「アメリカ大都市の死と生」におけるアイディア、オスカー・ニューマンの「守りやすい空間」のコンセプト、そしてレイ・ジェフリーのCPTED(Crime Prevention Through Environmental Design)の主張である。これらのアイ…

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 東日本大震災と津波、それに続く東京電力福島第一原子力発電所の事故と放射線被害の現実に直面して、政府や東京電力に対して「正確な情報を流して欲しい」という思いを切実に抱いた人々は非常に多かったと思われる。今回のような災害や事故の場合に限らず、食品の安全や環境問題、化学物質の影響や医療事故等への社会の関心の高まりとともに、リスク・コミュニケーションの重要性は…

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 サービスの評価は、サービスを受ける前の事前期待とサービスを受けた後の事後評価の差分により決まる。誇大広告をして事前期待を高くしすぎると事後評価が良くともサービスの評価はそれほど高い結果とはならない。評価方法は以下の通りである。 ●事前期待   サービスを受けるお店のメインサービスとサポートサービスのウエイトを考える。メインサービスは、中核となるサービス…

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 前回、第21回:犯罪への意識とバイアス」でも少し述べたが、犯罪者と被害者が出会うことは犯罪発生の必要条件であるが、第16回「街には他人がいないほうがいいのか?いたほうがいいのか?:ゲーテッドコミュニティとニューアーバニズム」で書いたように、それに加え、犯罪を抑止できない環境が揃うことが、犯罪発生の十分条件と主張するのが、マーカス・フェルソンのルーティン…

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 今回はアサーティブなコミュニケーションの取り方について考えていきたい。アサーティブ(assertive)という英語は、辞書(ランダムハウス英語辞典)を引くと、「断言的な」とか「積極的な」という意味であり、「強引な」とか「有無を言わせない」という意味も持っていると書かれている。どちらかというと、しつこいセールスマンの態度を表現するのに使われる言葉のようで…

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 気配りを行い、今回紹介する「態度」で「適切な対応」を行う。  態度とは、顧客に示す表情、身ぶり、言葉使いなどで、顧客に「共感」「寛容」の姿勢を示すことにより、「好印象」「信頼感」を与えることができる。 1) 共感:顧客の状況を自分も同じように感じ、理解する 2) 寛容:人を受け入れる 3) 好印象:良い感じが心に残る 4) 信頼感:信じて頼られる  共…

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 第15回「安心と安全:青色防犯灯」でも書いたが、現在体感治安が悪化しており、犯罪に対する意識も高い。しかし、心理学的にみると人々の犯罪に対する意識にはいろいろなバイアス(偏向、錯覚、誤りなどのこと)が働いている。  たとえば犯罪不安に関していうと、人々に犯罪に遭うことがどのくらい怖いかという、犯罪に対する感情的な恐怖心を尋ねる場合を考えてみよう。この際…

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